私たちは、多くのお客さまの家づくりに携わり、家づくりを成功する人と失敗する人をたくさん見てきました。
家づくりに失敗したいと思っている人は、誰一人としていません。特に、住宅は一生に一度の高価な買い物ですから、みんな慎重になっています。
それなのに、失敗してしまう。その原因は何なのでしょうか。
【失敗の原因①】お金に無頓着
消費者は、モノの値段に敏感です。たとえば、主婦はスーパーのチラシを見比べて、一〇円でも二〇円でも安い商品があれば、わざわざ電車やバスに乗ってその店に行くこともあるほどです。
ところが、住宅の場合はお金に無頓着なお客さまも多いのです。
はじめて家を建てる人にとっては、建築用語や見積書の内容など、わからないことだらけでしょう。そのため、「よくわからないので、後はお任せします」と、専門家に頼って言う通りにしてしまう人がいます。
見積書の中に書かれている「現場経費」「営業諸経費」などは、具体的に何に使われているお金なのか、住宅業界の中の人以外はわかりません。
しかし、数十万円、数百万円にのぼる経費の内容を確認せずに、契約してしまう。これでいいはずがありません。
こうしたお金に対する無頓着さによって、高い住宅を買うハメになってしまうのです。
人間は、日常的に使う金額ならその価値が想像できても、普段の生活から大きくかけ離れた巨額なお金に対しては、金銭感覚が麻痺してしまうのかもしれません。また、資金のすべてを現金でまかなうのでなく、ローンの書類で事が済んでしまいます。さらに「月々〇円」と分割されるために、余計に自分が支払うお金の価値が見えづらくなってしまうのかもしれません。
【失敗の原因②】見かけの値段を信用する
新聞などに入ってくる住宅会社のチラシには、住宅価格が書かれています。もし「坪単価三〇万円」と書かれていれば、面積と単価を掛けて、おおよその価格を計算することができると考えます。
ところが、ここに失敗する原因があるのです。
実は、住宅の価格表示には、特定の決まりがありません。
ですから、「坪単価三〇万円」と書かれていても、その価格の中にどんな部材が含まれているのか、どんな使用になっていないといけないのか、という決まりがないのです。
そのため、住宅会社はそれぞれ自分たちの会社がやりやすいような価格表示をしているのです。
次のような二つ住宅会社があるとしましょう。二つの会社は、まったく同じ仕上がりの家(四〇坪)を建築するとします。
[A社]坪単価四〇万円で、すべてコミコミ
[B社]坪単価三〇万円
●オプション・・・・・・二〇〇万円(寒冷地仕様・収納工事)
●照明器具・カーテン・・・・・・六〇万円
●外回り設備・・・・・・一二〇万円
●確認申請・・・・・・三〇万円
●諸経費・・・・・・一〇〇万円
[A社の建築費合計]
四〇坪×四〇万円=一六〇〇万円
[B社の建築費合計]
四〇坪×30万円+二〇〇万円+六〇万円+二〇万円+三〇万円+一〇〇万円=一七一〇万円
つまり、A社よりもB社のほうが、坪単価は一〇万円安いにも関わらず・・・・・・
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